この記事で分かること
- 朝の「行きたくない」に、その場で理由を聞き出さなくていい
- 1日休んでも、それで「不登校」が決まるわけじゃない
- 相談先は学校の中だけじゃなく、世田谷区や東京都にもある

こんにちは。経堂でプログラミング教室をやっている鈴木です。
うちの教室は自習型なので、平日の昼間にふらっと来て、ゲームを作ったりタイピングをしたりしていく子がいます。学校に行っていない時間帯に来る子もいて、その親御さんと話していると、いちばん多く出てくるのが「あの朝、どうすればよかったんだろう」という話なんですよね。
正直、私は不登校の専門家ではありません。でも、朝の「行きたくない」で親が抱え込んでしまうことの多くは、知っておくだけで軽くなるものだと感じています。今日はその話を、できるだけ短くまとめます。
1. その朝、実際には何が起きているのか
まず数字から。文部科学省の調べでは、2024年度に不登校とされた小中学生は全国で約35万4千人。12年続けて増えています。クラスに1人か2人はいる計算で、もう「うちだけ」の話ではありません。ちなみに、その年に新しく不登校になった子の数は9年ぶりに減りました。
ここで知っておいてほしいのが、「不登校」の数え方です。文科省の定義は「病気や経済的な理由を除いて、年間30日以上の欠席」。つまり、今朝1日休んだからといって、その瞬間に何かが決まるわけではないんです。

もうひとつ。2016年にできた「教育機会確保法」という法律があって、学校を休んで休養することが必要な場合がある、と法律の側がはっきり認めています。学校以外の場で学ぶことも含めて、その子に合った形を国や自治体が整える、という建てつけです。「休む=悪いこと」ではない、というのは気分の話ではなく、制度の話なんですね。
2. 親がつい、やってしまいがちなこと
朝の10分で、親はものすごい数の判断を迫られます。私が親御さんからよく聞くのは、この4つです。
理由を聞き出そうとする。 気持ちは分かります。でも、子ども本人も理由を言葉にできないことが本当に多いんです。「なんとなく」「おなかが痛い」は、ごまかしではなく、本当にそれしか言えない状態だったりします。朝に問い詰めても答えは出にくくて、「問い詰められた」という記憶だけが残りやすい。これは多くの相談機関が口をそろえて言っていることです。
「1日休ませたら癖になる」と心配する。 親として、ごく自然な心配だと思います。ただ、休んだから長引いたのか、もう限界だったから休んだのかは、その朝には分かりません。「今日は休む」と決めてから考える家庭もあれば、「今日は行ってみて、帰ってから話す」家庭もある。どちらを選んでも、そのあとの関わり方のほうがずっと大きい、というのが専門家の多くの見方のようです。
「自分の育て方のせいだ」と自分を責める。 不登校の背景って、友だち関係、勉強、先生との相性、体調、学校の雰囲気、本人の気質……いくつも重なっているのが普通で、調査でも「原因はひとつに絞れない」とされています。親の育て方だけで起きるものではない。これは公的な相談機関が共通して言っていることなので、ここだけは覚えて帰ってください。
学校にどう伝えるか悩む。 朝の連絡は「今日は休みます」だけで十分です。理由を細かく説明する義務はなくて、「体調がすぐれないので」で普通に受け付けてもらえます。担任の先生にちゃんと話したいときは、朝の電話ではなく、後日あらためて時間をとってもらうほうがお互い落ち着いて話せます。連絡の方法(電話・連絡帳・アプリ)は学校ごとに違うので、配布物で一度確認しておくと、朝に慌てません。
3. その朝にできること、3つだけ
休むか行くかは、家庭ごと、子どもごとに違います。なので、ここでは「どっちを選んでも共通で役に立つこと」だけを3つに絞ります。
理由は、あとで落ち着いたときに聞く。 朝は「わかった」で止める。夕方や週末、本人が話したくなったときに聞く。話さなければ、それでもいい。この姿勢をとる家庭が多いですし、私もそれでいいと思っています。
親も、一息つく。 子どもが休むと、親は仕事や予定の調整に追われますよね。親がヘトヘトだと、落ち着いて話を聞くのはまず無理です。在宅で仕事をする、祖父母に半日お願いする、午前だけ有給をとる。「休む日の段取り」を家庭でひとつ決めておくと、次からは朝の判断がぐっと軽くなります。
相談先を、1つだけメモしておく。 学校の中なら担任の先生やスクールカウンセラー。学校の外なら、世田谷区の教育総合センター(若林)にある「不登校支援窓口」と「総合教育相談ダイヤル」、それから東京都教育相談センター。匿名で相談できる窓口もあります。おなかや頭の不調が続くなら小児科も相談先です。

今すぐ電話しなくていいんです。「連絡先は知っている」という状態をつくっておくだけで、次に同じ朝が来たときの不安がだいぶ違います。
まとめ
- 朝の「行きたくない」で理由を聞き出さなくていい。聞くのは落ち着いてから
- 1日の欠席で不登校が決まるわけじゃない。休むことは法律でも認められている
- 相談先は学校の中と外の両方にある。1つだけメモしておく
長くなりましたが、言いたいことはこれだけです。朝のあの時間、親が全部を決めなくていい。そう思ってもらえたら、この記事の役目は果たせたかなと思います。
著者:鈴木岳史
iTeen経堂駅前校オーナー・教室運営者
参考・出典
- 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」(2026年11月4日確認)
- 文部科学省「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(教育機会確保法、2016年)
- 世田谷区 教育総合センター「不登校支援窓口」「総合教育相談ダイヤル」(2026年11月4日 区の公式サイトで確認。受付時間は最新情報をご確認ください)
- 東京都教育相談センター


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