この記事で分かること
- 国の通知は、支援では保護者を追い詰めないよう配慮することを基本的な考え方としている
- 本人に聞いた調査では、体調や気持ち、睡眠、勉強など多くの項目が挙がっていて、「親のこと」もその中の1つ
- 罪悪感は無理に消さなくてもいい、という考え方もある。親自身が話せる公的な窓口もある

こんにちは。経堂でプログラミング教室をやっている鈴木です。
教室長で、不登校支援カウンセラーでもあります。医師ではないので、医療の判断はできません。
お子さんが学校に行っていない時期に、「育て方が悪かったのかな」「あのとき、あんなことを言わなければ」と自分を責めてしまう。親としては、つらいですよね。
今日は、この罪悪感の話を書きます。「気にしなくていいですよ」と軽く言うつもりはなくて、国の資料に書いてあること、親が迷いそうなところ、付き合い方の選択肢の3つに分けて整理してみます。
1. 不登校は親のせいなのか。国の資料に書いてあること
はじめに数字です。文部科学省の令和6年度(2024年度)の調査では、全国の国公私立の小・中学校で、不登校による長期欠席の子は353,970人で、過去最多でした。児童生徒1,000人あたり38.6人なので、計算すると、およそ26人に1人です(年度間に30日以上欠席した子が対象。2026年11月6日時点で文科省のページにある最新の結果です)。どこかの特別な家庭だけの話ではない数字なんですよね。
では、国は不登校をどう捉えているのか。文部科学省が2017年に出した通知には、基本指針の考え方として、不登校は「取り巻く環境によっては,どの児童生徒にも起こり得るものとして捉え」、「不登校というだけで問題行動であると受け取られないよう配慮すること」とあります。支援についても、「当該児童生徒や保護者を追い詰めることのないよう配慮すること」などを基本的な考え方としている、と書かれています。国の文書にこの考え方が書かれていることは、知っておいていいと思っています。
次に、きっかけの話です。文部科学省の委託で行われ、2024年3月に公表された調査があります。4つの教育委員会の協力で、令和4年度(2022年度)に小学3年生から高校1年生(中学3年生を除く)だった子のうち、教師が不登校と報告し、本人も年間30日以上の欠席と答えた239人の回答を見ると、きっかけや辛かったこととして、「気持ちの落ち込み、いらいら」76.5%、「朝起きられない、夜眠れない」70.3%、「からだの不調」68.9%などが挙がっています。

「親のこと(親と仲が悪いなど)」は27.3%でした。不登校でない子の15.9%より高いので、親との関係がまったく関係ない、とは言えません。ただ、挙げていない子が7割あまりいて、ほかにも多くの項目が挙がっている。この調査を読むかぎり、「親のせい」の1つに決められる話ではないと、私は思っています。
2. 親が迷うところ。「私が甘いのでは」「つらいと言っていいのか」
「やっぱり私のせいでは」について。 先ほどの令和6年度の調査で、小・中学校の不登校の子のうち、学校が「親子の関わり方に関する問題の情報や相談があった」と把握していたのは12.6%でした。ただ、これは学校が把握した事実を、当てはまるものすべて回答する形の集計で、原因を判定した数字として示されているわけではありません。関わり方を振り返ることと、自分を責め続けることは別、という考え方もあります。気になるなら、誰かと一緒に見るという手もあると思っています。
「休ませている私が甘いのでは」について。 文部科学省は、教育機会確保法を「児童生徒の休養の必要性を明示した」法律と説明しています。2019年の通知にも、児童生徒によっては不登校の時期が「休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある」とあります。ただ同じ文で、「学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することに留意すること」とも続きます。休むことに意味がある場合も、心配の種がある場合も、両方が国の文書に書かれている。だから、親が揺れるのは変なことじゃないと思うんです。朝の場面はこちらの記事に書きました。
「親がつらいと言っていいのか」について。 つらいのは子どものほうなのに、と思うと言い出しにくいですよね。でも、世田谷区の不登校支援窓口の令和7年度の利用案内には「不登校で悩む小・中学生や保護者の方が気軽に相談できる窓口」とあって、子どもだけでなく、保護者自身も相談先として案内されています。連絡先はこのあと載せます。
3. 罪悪感との付き合い方。選択肢を3つ
どれが正解ということはなくて、合いそうなものがあれば、くらいのものです。「罪悪感を消す方法」とは書きません。消せるものなのかどうか、私には分からないからです。
頭の中の言葉を、紙に書いて分けてみる。 「あのとき叱ったから」「もっと早く気づいていれば」。頭の中で回っている言葉を紙に書いて、「実際にあったこと」と「そうかもしれないと思っていること」に分けてみる、という方法もあると思います。気持ちは残っても、どこまでが事実なのかは見えやすくなるかもしれません。
親自身の時間を、少しだけ残す。 子どもが家にいると、親の気持ちもそちらに引っ張られがちかもしれません。親が自分の時間を持つことと、子どもを大事にしないことは別、という考え方もあります。家での過ごし方の例はこちらの記事にまとめました。
親自身のこととして、誰かに話す。 公的な窓口を3つ挙げておきます(2026年11月6日に公式ページで確認。変わることがあります)。
- 世田谷区の不登校支援窓口(教育総合センター) 03-6453-1523。月曜から金曜の午前9時から午後5時まで(祝日・年末年始を除く)。区の令和7年度の利用案内には「不登校で悩む小・中学生や保護者の方が気軽に相談できる窓口」「匿名でも相談を受けています」とあります。
- 東京都教育相談センター「教育相談一般・東京都いじめ相談ホットライン」 0120-53-8288。24時間対応。高校生相当年齢段階までの子どもやその保護者などの相談に、専門の相談員が電話で応じています。
- こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556。電話をかけた所在地の公的な相談機関につながる仕組みです。受付の曜日と時間は地域によって違います。親自身の気持ちがしんどいときの先として挙げました。
体のことが心配なら、かかりつけ医に話す、という選択肢もあります。

まとめ
- 不登校は「取り巻く環境によっては,どの児童生徒にも起こり得るもの」。国の通知は、支援では保護者を追い詰めないよう配慮することも基本的な考え方としている
- 「親のこと」を挙げる子はいる。ただ、多くの項目が挙がっていて、「親のせい」の1つには決められない
- 罪悪感は無理に消さなくてもいい、という考え方もある。紙に書く、親の時間を残す、誰かに話す、という選択肢がある
お子さんのことで自分を責めてしまうのは、それだけ真剣に考えているから、という見方もできると思います。消えないなら消えないまま、一人で抱え込まずに付き合っていく。この記事の数字や窓口のどれかが、少しでも役に立てばうれしいです。
著者:鈴木岳史
iTeen経堂駅前校 教室長/不登校支援カウンセラー
参考・出典
- 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」令和7年10月29日、令和8年1月16日一部修正(2026年11月6日確認)
- 文部科学省「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本指針の策定について(通知)」平成29年4月4日(2026年11月6日確認)
- 文部科学省委託事業「不登校の要因分析に関する調査研究」結果の概要令和6年3月公表(2026年11月6日確認)
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日(2026年11月6日確認)
- 文部科学省「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(2026年11月6日確認)
- 世田谷区「不登校支援窓口」(2026年11月6日確認)
- 世田谷区不登校支援窓口 令和7年度の利用案内(2026年11月6日確認)
- 東京都教育委員会「教育についての相談」(2026年11月6日確認)
- 厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」(2026年11月6日確認)

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