この記事で分かること
- 世田谷区教育委員会のハンドブックは、不登校の時期を3つに分けて説明している。家での過ごし方も、時期で分けると整理しやすい
- 親が迷う「時間割」「勉強」「ゲーム」と、小学生の睡眠の目安(9〜12時間)
- 一日のモデル例は「休むのが中心の日」「家の中で少し動く日」「少し外とつながる日」の3つ。どれが正解ということはない

こんにちは。経堂でプログラミング教室をやっている鈴木です。
教室の責任者で、不登校訪問支援カウンセラーでもあります。医師ではないので、医療の判断はできません。
お子さんが学校に行かない日が続くと、平日の昼間がぽっかり空きます。「この時間、何をさせたらいいんだろう」と、親としては不安になりますよね。
今日は、公的な資料に書いてあることと、私が考えたことを分けて書きます。後半のモデル例は、この記事のために私が作ったもので、実在のお子さんの記録ではありません。
1. 家での過ごし方は、時期によって中身が変わる
2016年に公布された教育機会確保法の第13条には、「個々の不登校児童生徒の休養の必要性を踏まえ」という言葉が入っています。休養が必要な場合があるという前提が、法律に書かれているんですよね。
ただ、休めば何も気にしなくていい、という話でもありません。文部科学省の2019年の通知は、不登校の時期が「休養や自分を見つめ直す等の積極的な意味を持つことがある」と書く一方で、「学業の遅れや進路選択上の不利益や社会的自立へのリスクが存在することに留意すること」とも書いています。
家で過ごす時間の中身については、世田谷区教育委員会の「不登校・登校渋り 保護者のためのハンドブック」(2024年3月)が参考になると思いました。不登校のお子さんが歩むプロセスを「一般的に大きく三つの時期」に分けて説明しています。
混乱期は、努力しても思うようにいかず、心も行動も乱れてしまう時期。低迷期は、「家で好きなことしかやらないなど、全体的に心身の活動が低下」する時期で、「静かに過ごしている時期とも言えます」と書かれています。回復期は、一進一退を繰り返しながら、少しずつ前に進み始める時期です。

この説明に沿うと、同じ「家にいる」でも、ゲームや睡眠が中心の時期と、「暇だ」と言い出す時期では、一日の中身が違ってきます。「一般的に」という前置きつきなので、今の様子を眺める目安くらいに読むのがいいのかなと思っています。
2. 親が迷うところ。時間割、勉強、ゲーム、睡眠
時間割を作るかどうか。 学校と同じ時間に起きて、午前は勉強して、という形にしたくなるのは、親としてとても自然だと思います。ただ、ハンドブックは低迷期の初期について「今のお子さんは休養が必要な時なのです」と書いています。親が作った時間割は、守れない日が続くと親子どちらにとってもしんどくなるかもしれないな、と私は思っています。
勉強のこと。 いちばん気になるところですよね。ハンドブックには話題の重さを示した図があって、天候や家族の趣味は軽い側に、勉強や将来は重い側に置かれています。一方で、さっきの通知のとおり、学業の遅れは留意点のひとつです。自宅でのICT等を使った学習については、要件を満たせば校長が出席扱いにできる制度があり、「出席扱い」の記事に整理しました。
ゲームのこと。 ハンドブックにも低迷期の初期の様子として「ゲームをしているか音楽を聴いているか」という書き方が出てきます。向き合い方は「ゲームばかり」の記事に書きました。
寝ることと食べること。 時間割を作らないとしても、ここは別に考えておく、という考え方もあります。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、小学生は9〜12時間を参考に睡眠時間を確保するとしていて、朝の太陽の光や朝食にも触れています。
同じガイドには「小学生以降は、登校時や学校で日光を十分に浴びましょう」とあります。学校に行っていない子だと、この光が自然には入ってこないことになります。厚生労働省のサイトの解説「こどもの睡眠」には、ベランダに出る例と並んで、「それが無理なら窓辺で顔を戸外に向けるのでも結構です」とあります。朝どうしても起きられない、眠れない、食べられない、といった様子が続くときは、小児科やかかりつけ医に相談するという選択肢もあります。
3. 一日のモデル例、3つ
公的な基準ではなく、ハンドブックの各時期の様子を参考に私が組んだもので、時間もイメージです。同じ子でも、日によって行ったり来たりすると思います。

休むのが中心の日。 9時ごろ起きて、朝昼を兼ねたごはん。あとは好きなことをして、夕ごはんとお風呂、22時ごろに寝ます(夜の睡眠は約11時間)。親の関わりは、「おはよう」「おやすみ」のあいさつと、ごはんの声かけくらい。ハンドブックに出てくる例で、あいさつには「たいてい返事は返ってきません」と書き添えてあります。
家の中で少し動く日。 8時ごろ起きて朝ごはん。昼ごはんのあとに、洗濯物の取り込みや親との買い物。22時ごろに寝ます(夜の睡眠は約10時間)。ハンドブックは『一緒にする』ことと『学校とは関係ないところから始める』ことをポイントにしています。「無理なら引っ込めればいいんです」という一文は、気が楽になるなと思いました。
少し外とつながる日。 7時30分ごろ起きて朝ごはん。午前は買い物や図書館など外へ。午後は本人が選んだ勉強や読書と、好きなこと。21時30分ごろに寝ます(夜の睡眠は約10時間)。世田谷区には、教育支援センターの「ほっとスクール」(月曜〜金曜の午前9時30分〜午後3時、祝・休日と夏季・冬季・春季の学校休業中は閉室)もあります。2026年11月5日時点で、今年度の見学受付を終えた施設もあるので、最新の情報は区のページで確かめられます。
親の一日のこと。 ハンドブックには「保護者の方が外出してしまうのもひとつです」という一文があって、それは「子育てを放棄するのとは違う」とも書かれています。お子さんの年齢によっては留守番の問題もありますが、親が見守り続けるだけの一日にしない、という考え方もあるんですよね。
話す先のこと。 世田谷区には教育総合センターの「不登校支援窓口」(03-6453-1523、月曜〜金曜の午前9時〜午後5時、祝日・年末年始を除く)があります。「死にたい」のような言葉が出て急いで誰かに話したいときは、「24時間子供SOSダイヤル」(0120-0-78310、通話料無料)もあります。文部科学省は「いじめなどで、様々な悩みや不安を抱える子供や保護者が、夜間・休日を含めて24時間いつでも相談できる」窓口と案内しています。
まとめ
- 家での過ごし方は、ハンドブックの3つの時期に照らすと整理しやすい。今の様子を眺める目安として
- 時間割より先に考えられるのは、睡眠(小学生は9〜12時間が目安)と朝の光と食事
- モデル例は3つ。どれが正解でもなく、行ったり来たりするもの
平日の昼間に家にいるお子さんを見ていると、何かさせなきゃ、と思うのは親として自然なことだと思います。モデル例どおりにいかない日があっても、それはモデル例のほうが現実に合っていないだけ、くらいに私は思っています。
著者:鈴木岳史
iTeen経堂駅前校 オーナー・教室責任者/不登校訪問支援カウンセラー
参考・出典
- 世田谷区教育委員会「不登校・登校渋り 保護者のためのハンドブック」令和6年3月(2026年11月5日確認)
- 文部科学省「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」平成28年法律第105号(2026年11月5日確認)
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日(2026年11月5日確認)
- 文部科学省「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」(2026年11月5日確認)
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(2026年11月5日確認)
- 厚生労働省のサイト内の解説「こどもの睡眠」三島和夫氏執筆、2025年6月1日更新(2026年11月5日確認)
- 世田谷区「ほっとスクール(教育支援センター)」(2026年11月5日確認)
- 世田谷区「不登校支援窓口」(2026年11月5日確認。受付時間は変わることがあります)
- 文部科学省「24時間に相談できる窓口」と「最近よくあるご質問にお答えします」(2026年11月5日確認)


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