この記事で分かること
- 不登校の小中学生の自宅でのICT等を使った学習は、要件を満たせば、校長の判断で「出席扱い」にできる
- 自動で出席になるわけではない。訪問などの対面指導が前提で、判断するのは在籍校
- 使いたいときの聞き先は在籍校。世田谷区には、区立小中学校の子が参加すると出席扱いになるオンライン事業もある

こんにちは。経堂でプログラミング教室をやっている鈴木です。
教室の責任者で、不登校訪問支援カウンセラーでもあります。
学校を休む日が続くと、勉強のことに加えて、出席日数のことも気になってきますよね。そんなときに「自宅学習でも出席扱いになるらしい」と知ったら、親としては「本当なのかな」「うちの場合はどうなんだろう」と思うんじゃないでしょうか。
先にお伝えしておくと、出席扱いを決めるのは在籍校の校長で、私ではありません。今日書くのは、文部科学省の通知と資料を読んで、制度の中身と誤解しやすそうなところを中心に整理したものです。
1. 自宅学習の「出席扱い」は、どんな制度なのか
根拠になっているのは、文部科学省が2019年(令和元年)10月25日に出した通知「不登校児童生徒への支援の在り方について」の別記2です。短く言うと、小中学生が自宅でICT等を使って学習したとき、要件を満たし、校長が有効・適切だと判断すれば、指導要録上の出席扱いにできるという内容です。
「ICT等」という言葉がややこしいんですが、ネットだけでなく、郵送やFAXで届く学習も含まれます。この仕組みは小中学生向けで、高校は別です。文部科学省の資料が案内している高校のページは、学校外の施設で相談・指導を受ける場合の対応についてのものです。
「指導要録」は聞き慣れない言葉かもしれません。学校が作る、法令に基づいた記録で、出欠もここに残ります。文部科学省の資料にある記載例では、出席扱いにした日数は出席日数に数え、欠席日数からは除く形になっています。

では、どれくらいの子に使われているのか。2026年11月4日に確かめた時点で、文部科学省の調査ページにある最新は2024年度(令和6年度)の結果です。小・中学校の不登校児童生徒353,970人のうち、自宅でのICT等の学習が出席扱いになったのは13,261人(前年度は10,467人)でした。計算すると約3.7%です。希望しなかった人の数はこの数字からは分からないので、少ないから使いにくい制度だ、とまでは言えないと思っています。
2. 「ICT教材を使えば出席」ではない。親が迷いやすいところ
ここからが、いちばん誤解しやすいところだと思います。
申し出れば必ず出席になる、ではありません。 通知の言葉は「できる」で、文部科学省の保護者向け資料にも、判断は学校が行うと書かれています。文部科学省は一律の基準を示していません。学校や教育委員会で基準を作っておくことが必要、という考え方です。なので、学校によって判断が分かれることもあり得ると思います。
教材を契約するだけでは足りません。 主な要件は下の図の5つで、中でも前提とされているのが訪問などの対面指導が定期的・継続的に行われることです。対面指導をする人には、在籍校の教員やスクールカウンセラーのほか、教育支援センターの職員、教育委員会等による事前の指導・研修を受けたボランティアスタッフなども想定されています。

文部科学省は、出席扱いと判断しなかった例も2つ挙げています(図の下段)。無料のネット学習プログラムの例は、学習のねらいや内容が明確でなかったという話で、無料だからだめ、と書かれているわけではありません。逆に、学校のプリントや通信教育、在籍校の授業の配信は、学習活動の例に入っています。
基本は、外の施設で相談・指導を受けられない場合の仕組みです。 通知にそう書かれていて、学校側に向けた留意点として、出席扱いにすることで不登校が必要な程度を超えて長引くことを助長しないように、という文もあります。一方で、いま登校を希望しているかどうかは問わず、本人が希望したときにスムーズに戻れるような学習であること、という書き方になっています。
出席扱いと成績は、別の話です。 出席扱いにしても、必ず成績に反映しなければならないわけではありません。成績については2024年8月29日に省令と告示が施行され、欠席中の学習の成果を一定の要件のもとで成績に反映できることが、法令の上でもはっきりしました。
3. 考えられる動き方を、3つに整理します
どれが正解ということはなくて、お子さんの今の状態やご家庭に合うものを選ぶ話だと思っています。
在籍校に聞いてみる。 文部科学省の保護者向け資料でも、問い合わせ先は在籍校と、その設置者である教育委員会等とされています。聞くときは、こんなメモがあると話しやすいかもしれません。
- 自宅学習を出席扱いにするときの基準はありますか
- 対面指導は、誰がどのくらいの頻度で行いますか
- 使いたい教材や学習方法は、対象になりますか
- いつの分から、どのように日数を数えますか
- 成績や、高校受験など進路のときの扱いはどうなりますか
公的なオンライン事業や、外の施設を調べる。 世田谷区には、オンライン事業「ほっとルーム」があります。区内在住で、不登校またはその傾向があり、オンラインでの参加を希望する小1から中3が対象で、費用は無料。区立小中学校の子は、参加すると学期ごとに区の教育相談課から在籍校へ出席日等が報告され、在籍校で出席扱いになると区のページに書かれています。
通う形なら、区の教育支援センター「ほっとスクール」があります。今年度の見学受付を終えた施設もありますが、保護者の相談はできます(2026年10月1日更新の区のページ)。学校外の施設に通う場合も、要件を満たせば、校長は出席扱いにできます。基本は公的機関で、通うのが難しいときなどは民間施設が考慮されることもあります。
どこに聞けばいいか迷うときは、世田谷区なら不登校支援窓口(03-6453-1523、午前9時〜午後5時)や総合教育相談ダイヤル(03-6453-1520、午前9時〜午後6時)があります。どちらも月〜金で、祝日・年末年始を除きます。区外の方は、文部科学省の「不登校に関する地元の相談窓口」から都道府県別に探せます。
今は使わない、という選択もあります。 通知には、不登校の時期が休養や自分を見つめ直すといった積極的な意味を持つことがある一方で、学業の遅れや進路選択上の不利益などのリスクもある、と両方書かれています。お子さんもご家族も余裕がない時期なら、「学校に行きたくない」と言われた朝の話のほうが、いまは合うかもしれません。
まとめ
- 要件を満たせば、校長の判断で、不登校の小中学生の自宅でのICT等の学習を出席扱いにできる。根拠は2019年の文部科学省の通知
- 必ず出席になるわけではない。訪問などの対面指導が前提で、成績への反映はまた別の話
- 使いたいときの聞き先は在籍校と教育委員会等。世田谷区立の小中学校なら、区のオンライン事業も選択肢のひとつ
「出席扱い」は、使えば何かが約束される制度ではないんですよね。でも、知っていると学校と話すときの材料になります。使うかどうかも含めて、お子さんの今に合わせて考える。そのきっかけになれば、この記事の役目は果たせたかなと思います。
著者:鈴木岳史
iTeen経堂駅前校 オーナー・教室責任者/不登校訪問支援カウンセラー
参考・出典
- 文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」令和元年10月25日(2026年11月4日確認)
- 文部科学省「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」(2026年11月4日確認)
- 文部科学省「義務教育段階の不登校児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の指導要録上の出欠の取扱いについて」(2026年11月4日確認)
- 文部科学省「高等学校における不登校生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の対応について」(2026年11月4日確認)
- 文部科学省「不登校児童生徒の出席扱い・成績評価について【保護者等向け】」(2026年11月4日確認)
- 文部科学省「不登校児童生徒の出席扱い・成績評価について【学校・教育委員会等向け】」指導要録の記載例(2026年11月4日確認)
- 文部科学省「不登校児童生徒が欠席中に行った学習の成果に係る成績評価について(通知)」令和6年8月29日(2026年11月4日確認)
- 文部科学省「小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善等について(通知)」(2026年11月4日確認)
- 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果概要」小・中学校の不登校児童生徒が対象。調査ページに掲載された最新の年度(2026年11月4日確認)
- 文部科学省「不登校に関する地元の相談窓口」(2026年11月4日確認)
- 世田谷区「ほっとルームせたがYah!オンライン(ONLINE)」(2026年11月4日確認)
- 世田谷区「ほっとスクール(教育支援センター)」(2026年11月4日確認)
- 世田谷区「「不登校支援窓口」をご利用ください」(2026年11月4日確認)
- 世田谷区「総合教育相談ダイヤル」(2026年11月4日確認)


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